乳房再建手術最前線リスト
乳房再建手術経験者の声

「再建後の胸をみたとき、病気になる前の自分に戻れた気がしました」

東京都 MMさん(34歳)

 

手術方式:「一次二期再建」
(インプラント 乳がん手術と同時にティッシュエキスパンダーを挿入)
・乳がん手術:2010年11月 内視鏡による左乳房皮下乳腺全切除(乳頭乳輪も切除)
およびティッシュエキスパンダーの挿入
執刀・広島大学病院 尾崎慎治医師
・乳房再建手術:2012年10月 シリコンインプラントによる再建
執刀・矢永クリニック 矢永博子医師
・乳頭乳輪の再建:2013年12月
術前治療:なし
術後治療:ホルモン療法(リュープリン2年間、ノルバデックス5年間=継続中)
 

31歳での乳がん告知に「これから赤ちゃんは産めるの?」

「乳がんは自分で見つけられる唯一のがん」。仕事で医師からそんなお話を聞いたのを機会に、以前から気になっていた左胸のしこりを診てもらおうと近所の病院を訪ねたのが30歳の5月のことでした。マンモグラフィと触診、超音波による診察で「石灰化は認められるが、がん化のおそれはない」といわれ安心したものの、しこりはその後もなくならず、むしろ大きくなっていく感じがしていました。

そのうち結婚が決まり、母からも「念のためもう一度診てもらっておけば?」といわれ同じ病院で検査を受けました。マンモグラフィでは前回から変化なしとの診断でしたが、超音波をあててみると私にもわかるほど真っ黒な影が映っており、細胞診で5cmほど広がりのある浸潤がんと判明しました。

結婚式を2週間後に控えて、夫となる人に申し訳ないという思いがわきあがると同時に、私の胸を満たしたのが「がんになって子どもが産めるのだろうか…」という大きな不安でした。


将来後悔しないように
と“受精卵凍結”を決意 

手術は広島大学病院で受けました。少しでも胸のふくらみが残せるならと、このときは温存手術にこだわっていたのですが、温存するなら術前の抗がん剤治療が必要で、それでも私のがんのタイプだと温存できる可能性は低いと言われました。しかも抗がん剤治療後に無排卵となるリスクが30~80%あると聞いて温存は断念。全切除にはなるけれど、先に手術を受ければ、病理の結果次第では抗がん剤を使わないですむ可能性もあるということで、皮下乳腺全切除手術を選択し、乳房再建を前提にティッシュエキスパンダーを挿入していただくことにしました。

妊娠・出産を強く希望していた私に、主治医から手術に際してさらに2つの提案がありました。ひとつは「オンコタイプDX」という遺伝子検査で抗がん剤の有効性を調べること。もうひとつは抗がん剤治療による万一の閉経の可能性に備え、前もって体外受精による受精卵を凍結保存することです。

受精卵凍結のことはいずれ考えようと、まず遺伝子検査を受けることにしたのですが、結果次第では抗がん剤を使う可能性もあることと、術後治療(ノルバデックス)の5年間は妊娠を望めないこともあり、受精卵の凍結保存をお願いしました。ホルモン療法を始める直前のことでしたが、出産に対する私の強い思いを尊重して、「子どもを持つか持たないかは、あなたのこれからの人生にとって大切なこと。将来後悔しないように」と背中を押してくださった主治医のおかげで、こうして子どもを持つ可能性をつなぐことができました。

 
新しく作っていただいた胸をみて、気持ちをひとつ前に進めることが
 

乳房再建にあたっては福岡の矢永博子先生のお世話になりました。「神様ではないから元の胸に戻すことはできないけれど、女性にとって大切な胸をきれいに作るためにベストを尽くしますよ」という先生のお言葉に励まされてのことでした。

より自然な温かみのある自家組織での再建にも惹かれましたが、妊娠・出産の可能性に備えてお腹をドナーにすることは避け、インプラントによる再建手術を選択。乳がん手術後は常に左胸の喪失感がつきまといましたが、再建した胸を初めて鏡でみたときは、自然な2つのふくらみが戻ってきたことが本当に嬉しくて、病気に一区切りがついた思いがしました。ときどき痛みや違和感を覚えることはありますが、日常生活での不都合はなく、近々乳頭乳輪の再建も行うつもりです。可愛いブラジャーも買いに行かなくちゃ!

若年性乳がんという経験にはきっと何か意味があるはずと考え、少しでも同じ病気の方たちの力になれたらなと思っています。これから手術を考える皆さんは、とにかく経験者の話をできるだけ聞いて、実際に再建された胸を見て触らせてもらってください。多くの有益な情報を得ることができるはずです。

(取材:2013年4月)

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このサイトは、医療に関するコンテンツを掲載しています。乳がんや乳房再建手術に関する各種情報や患者さん・医療関係者の談話なども含まれていますが、その内容がすべての方にあてはまるというわけではありません。治療や手術の方針・方法などについては、主治医と十分に相談をしてください。

最終更新日:2014.11.16.

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