• 公開日2019.06.14
  • 最終更新日 2022.06.24

8.乳がん手術・再建手術直後の“下着”について

手術直後のデリケートな乳房を守るために

監修:医療法人社団ブレストサージャリークリニック院長 岩平佳子

再建手術後もいままでと同じ下着を身につけることができます

乳房再建手術の後、以前と同じブラジャーを使ってもよいのか不安に感じる方が少なくありません。
乳房再建手術本来の目的のひとつは、術後も以前と同じ下着が使えるようになることですから、これまで通りの下着を身につけてまったく問題はありません。ティッシュエキスパンダーの挿入中でも、特別な下着は必要ありません。

手術直後の乳房を守るために気をつけたいこと

ただし乳がん手術と同時にエキスパンダーを挿入した場合の下着については、次の点に注意してください。

①乳がん手術の直後は、きつい締め付けを避ける

乳がん手術では皮膚の裏側から乳腺を切除するため、皮膚が痛めつけられていて、術後は圧迫による皮膚炎が起きやすくなります。手術の直後は、締め付けの強い下着は避けましょう。乳がん手術と同時にエキスパンダーを入れた場合は、特にこの点に注意が必要です。

②エキスパンダーやインプラントの挿入後、1ヵ月間は乳房を揺らさない

ザ ブレストラップ サラシ乳がん切除と同時にティッシュエキスパンダーやインプラントを挿入したときは、術後1ヵ月ほどは乳房を揺らさないことが大切です。退院後、エキスパンダーやインプラントが中で動いて周囲の組織にあたると、一度止まりかけた出血や浸出液が再び出てきてエキスパンダーやインプラントの周りに溜まってしまいます。これを放置すると感染症を起こしやすくなるだけでなく、被膜拘縮の原因となるので、インプラントが入っている方は特に注意が必要です。この間は胸が揺れない程度にフィットするブラジャーで乳房を固定しましょう。【写真は形成外科医が作った術後用下着「ザ ブレストラップ サラシ」】

形成外科の医師に下着を見せて相談してみることも

もし手術後に着用したいお気に入りの下着があれば、形成外科の主治医にそれを見せて、ご自分の希望を伝えてみるのもよいでしょう。納得のいく乳房再建は、形成外科医との十分なコミュニケーションから始まります。

また再建によって乳房の形が以前と変わる、左右バランスに差が生じる、痛みを感じるということも起こり得ます。そうした場合は、補正パッドの利用や、オーダーブラでご自分の胸の状況に合わせた下着を作る方法もあります。


再建後の下着について。プロからのアドバイス

アドバイザー:カノンコード ブレストカウンセラー 岡いずみ

再建手術直後にお勧めする“乳房にやさしい下着”

乳房再建手術の直後は、乳房を締め付けず、また揺れからまもるため、やわらかい伸縮素材でできた、胸を立体的に包みこむ前開きタイプのブラジャーがお勧めです。傷にあたる痛みや不安から、ワンサイズ上のブラジャーを選ぶ方は少なくありませんが、ゆるいブラジャーだと手術の傷がこすれてかえって治りが悪くなることもあります。必ずフィットしたものを選ぶようにしましょう。縫い目が傷にあたって痛む場合は、肌にあたる側に縫い目や段差のないものもあります。

 

シリコンインプラントによる再建に適した下着

ティッシュエキスパンダーに注水する期間(通常約6~8ヵ月間)は、カップ部分が立体的で伸縮性のあるブラジャーがお勧めです。左右の大きさの違いが気になるときは、補正パッドなどを使ってこの期間を乗り越えましょう。インプラント入れ替え手術の後も、傷が治るまで同じものを着用してもかまいません。

自家組織による再建に適した下着

自家組織で再建した乳房は、インプラントに比べて胸の両脇に流れやすいので、脇側からもやさしく支えるブラジャーが理想的です。乳房下溝線(乳房の下部と腹部の境界線)に沿って、両脇まで切り替えのあるタイプのブラジャーがよいでしょう。

術後1~3ヵ月以降は好きなブラジャーが使えます

傷が落ち着き医師からOKが出れば、好きな下着をつけられます。ワイヤー入りのブラジャーは、ワイヤーが乳房下溝線にフィットしていることが大切です。必ずフィッターさんのいる店で購入しましょう。左右のバランス差が気になる場合は、オーダーブラという方法もあります。

カップ入りキャミソールやブラトップは、乳房を下から支える機能はありませんが、つけ心地がよければ使用してもかまいません。試着して、カップ部分がずれないものを選びましょう。

乳房再建手術後は、痛みや左右バランスの違いなどで下着選びに苦労される方が少なくありませんが、基本的に以前と同じ下着を使うことができます。ぜひご自分に合った素敵なブラジャーを選んでください。

このサイトは、医療に関するコンテンツを掲載しています。乳がんや乳房再建手術に関する各種情報や患者さん・医療関係者の談話なども含まれていますが、その内容がすべての方にあてはまるというわけではありません。 治療や手術の方針・方法などについては、主治医と十分に相談をしてください。

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