異時性両側乳がんとHBOC。乳房再建で取り戻した私らしさ
*2024年10月発行 写真集『New Born -乳房再建の女神たち-』(撮影:蜷川実花、企画:NPO法人E-BeC、発行:赤々舎)に収録しているモデルの経験談「わたしのストーリー」より
東京都 Y.Sさん(45歳)

手術方式:一次二期再建(左)インプラント、一次二期再建(右)インプラント
・乳がん手術
2016年4月 左乳房全切除術+エキスパンダー
執刀:虎の門病院 乳腺外科 小倉拓也先生(当時)
虎の門病院 形成外科 江口智明先生
2021年1月 右乳房乳頭温存乳房全切除術+エキスパンダー
執刀:虎の門病院 乳腺外科 田中希世先生
虎の門病院 形成外科 江口智明先生
・乳房再建手術
2016年11月 インプラントと入れ替え(左)
執刀:虎の門病院 形成外科 江口智明先生
2021年7月 インプラントと入れ替え(右)
執刀:虎の門病院 形成外科 江口智明先生
・乳頭乳輪再建手術
2017年4月 乳頭 皮弁立ち上げ
2017年8月 乳輪タトゥー
執刀:虎の門病院 形成外科 江口智明先生
乳がん治療
術前治療:なし
術後治療:左 パクリタキセル+カルボプラチン(4回)、リュープリン(2016-2020年)、
タモキシフェン(2016-2020年)
右 アロマターゼ阻害剤(2021年)、タモキシフェン(2022年~)
最初の診断は37歳のときでした。会社の検診ですぐに病院へ行くように言われ、左乳房の乳がんと告知されました。母も30代半ばで乳がんに罹患していて、気を付けるようにと口を酸っぱくしていわれていました。
母が乳がんと診断されたとき、私は小学2年生。がんをよく理解していないなりに、「このしこりなんだろうね」と母と一緒に家庭の医学で調べたことを鮮明に覚えています。じつは祖母も乳がんで、私にとって身近な病気でしたから、告知のときはショックというより「私にも来たか」という感覚でした。力強くて明るく、今も元気な母がいたので、大丈夫と思えたのだと思います。
しこりは2センチほどでしたが、家族歴から遺伝性の可能性をふまえて全摘出で、乳頭乳輪も取るとのことでしたが、全摘出した母の胸を見て育ったので、ふくらみのない乳房に抵抗はありませんでした。
そんな私が乳房再建に興味をもったのは、2010年に発売されたE-BeCの乳房再建の写真集でした。新たな乳房を披露する女性たちの凛とした姿に「なんてカッコイイの!!」と感銘を受け、もし乳がんになったら、再建しようと思えるようになり、実際にインプラントによる再建と、のちに乳頭乳輪も再建しました。
アンジェリーナ・ジョリーさんの報道で、「遺伝性乳がん卵巣がん(HBOC)」のことを知っていたので、抗がん剤治療がひと段落してから遺伝子検査も受けました。検査も予防的切除も保険適用になる前で、検査は30万円かかりましたが、今後のためにも自分のからだのことは知っておきたかった。
検査で陽性と分かった時も、「やっぱりね」と、淡々と受け入れました。ただ2020年に右乳房に乳がんがみつかったときは、私にとってショックというより、同じ治療を繰り返すことにうんざりという感覚でした。ただ右のがんは左とタイプが違って抗がん剤の必要はなく、右乳房は乳頭乳輪を温存できました。
右側も左の形に合わせてインプラントでできあがったとき、幼少時仮面ライダーが好きだった私は、秘かに「改造したみたいでカッコいい!」と思いました。左右で再建時期に5年近い差があり、インプラントのメーカーや形状(左はしずく型、右はおわん型)、乳頭乳輪もすべて条件が異なる私の乳房は、これから再建を考える方の参考になるのでは。
先日、予防的切除で卵巣卵管と、筋腫のある子宮も摘出しました。たくさんサバイブしてきた私のからだを、憧れの蜷川さんに撮っていただき、皆さんに見ていただけたら、こんな幸せなことはありません。
2024年5月 インタビュー:山崎多賀子
*インタビュー記事は個人の体験談に基づく感想で、E-BeCで推奨するものではありません。体験談は再建を考える際の参考にしていただき、主治医や医療者とよく相談をして決めるようにしてください。
写真集『New Born -乳房再建の女神たち-』のメイキング動画はこちらから
https://www.e-bec.com/ninagawa-mika-model
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